「サステナブル」という言葉を最近よく耳にするのではないでしょうか。「何だかSDGs?と関係あるらしいけど、自分とは遠くにあるイメージがある」という方も多くいるかと思いますが、実は「サステナブル」は、私たち暮らしの身近な存在になりつつあります。
本記事では、サステナブルの意味とSDGsとの関係、そして、サステナブルが私たちの暮らしのどんな部分に関わっているのかをご紹介していきます。
サステナブルとは
サステナブルとは、日本語では「持続可能な」という意味があります。英語でSustainableと表記し、sustain(持続する)とable(〜できる)から構成されている言葉です。
「サステナブル(Sustainable)」な社会の実現は、現在、世界中の共通目標として、国や官民を超え、様々な組織・個人単位での取り組まれています。
なぜ、サステナブルな社会の実現が世界中で取り組まれるようになったのでしょうか。
それは、SDGsに関係します。次の項でSDGsについてご紹介します。
SDGs17の目標
SDGsは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられました。
SDGsは、2030年までの達成を目指し、17の目標とその目標に紐づく176のターゲットから構成されています。「誰一人置き去りにしない」ことを強調し、貧困や飢餓、環境問題から経済成長やジェンダーまで幅広い課題が網羅されています。
SDGsの17の目標を具体的に記した項目は、国際連合広報センターから発表されています。
参考:国際連合広報センター|SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは?
サステナブルは私たちの身近な暮らしの中にある
サステナブルは私たちの暮らしの中で身近なところに存在しています。
衣食住は人間にとって欠かせないものですが、その全てにおいてサステナブルを目指したものに変わろうとしています。
例えば、暮らしの中にあるサステナブルは主に3つあります。
- サステナブルファッション
- サステナブルフード
- サステナブル住宅
以下で、この3つの要素がどのように私たちの暮らしに根付きつつあるのかを詳しく解説していきます。
サステナブルファッションについて
サステナブルファッションとは、生態系を含む地球環境や関わる人・社会に配慮した衣服の製品作りのことを言います。
衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて環境負荷を意識した取り組みとして、世界的なファッションブランドがサステナブルな製品開発をしています。
代表的な例として、世界的なスポーツブランドであるアディダスでは、看板商品である『スタンスミス』を本革仕様から動物の皮を使用しないビーガン設計に切り替えています。
ビーガン設計のほかに、製品つくりについては、デッドストック(売れ残り商品)やリサイクル素材、オーガニックコットンを積極的に取り入れて商品化するなどがあります。
消費者がサステナブル素材を使った衣服を購入することもサステナブルな社会への取り組みに参加していることになります。
サステナブルフードについて
サステナブルフードは、環境や社会、人々の暮らしなどに配慮した持続可能な食べ物のことをいいます。
サステナブルフードには、いくつかの要素が含まれています。
例えば、
- 自然環境や社会に対して負担なく作られた食品であること
- 決められたルールのもとで獲った水産物(サステナブルシーフード)
- 食品ロスを減らすこと
などです。
自然環境や社会に対して負担なく作られた食品とは、有機栽培で作られた野菜や果物のことです。私たちがサステナブルに取り組む場合、これらの食品を選ぶことや、動物性タンパク質を必要最小限にして、豆製品や野菜中心の食生活を送ることが挙げられます。
サステナブルフードの一環で、サステナブルシーフードも注目されています。
サステナブルシーフードは、水産資源や環境に配慮し適切に管理された「MSC認証」を取得した漁業で獲られた水産物、または、環境と社会への影響を最小限に抑えた「ASC認証」を取得した養殖場で育てられた水産物のことです。
サステナブルシーフードを選ぶことが、重要な海の資源を守ることに繋がります。
また、環境面で深刻な問題となっているのが食品ロスです。
サステナブルフードは、食品ロス問題を解決する上で大きな役割を果たします。
食品ロスに関する取り組みとして、
- 廃棄されてきた食材(野菜の皮)の活用
- 規格外などで商品として販売されなかった生鮮食品の利用
- 売れ残りとして廃棄された食品の再利用
などがあります。
これらの取り組みが、食糧の乱獲を減らすこと、ゴミを減らすこと、処分する際に排出されるにCO2を減らすことに繋がります。
サステナブル住宅について
サステナブル住宅とは、地球環境に配慮しながら、人も快適に暮らせる住宅のことです。
具体的には、
- 省エネ、節電、再生可能エネルギー(大陽光、風力、地熱などの再利用)
- エコマテリアルを使用(環境負荷を軽減した素材を使用)
- ヒートアイランドの抑制
などを考慮した設計の住宅のことをいいます。
サステナブル住宅の特徴は、電力消費の多い空調に頼らない室内環境が実現できるという点です。電力のみに頼らずとも、住宅の設計自体が、夏の日射を遮断できたり、自然風の利用できることが魅力となっています。
まとめ:サステナブルが私たちの「持続可能な」暮らしを実現する
サステナブルをどこか遠くのものと感じている方も多かったでしょう。しかし、SDGsに関する取り組みが世界中で活発になる中で、私たちの身の回りの「食べる・着る・住む」にも密接に関わるようになりました。
「持続可能な」社会の実現は、私たちの生活そのものに関係するのです。本記事でご紹介したような「サステナブルファッション」「サステナブルフード」は、私たちの普段の買い物でそれらを選択するだけの意外とシンプルな方法で、サステナブルな社会への取り組みに協力していることにつながります。
環境や生態系への配慮が私たちの将来的な暮らしやすさにつながります。環境や生態系への配慮と聞くととてもハードルが高いように感じるかもしれませんが、買い物の選択肢を変えるというようなシンプルな方法から取り入れてみると、少しハードルが下がるのではないでしょうか。